安定した職業として評価される公務員を退職することは、両親などの家族、親戚から心配や批判を受けることが多いです。
私自身も以前公務員で、親は退職する前は否定的な反応を見せていました。
退職が確定した後は「別居してるし、このままバレなくてもいいか」と黙ってたのですが、内示後に親戚を介して家族に伝わってしまいました…
しかし意外にもあまり追及されることなく良好な関係が続いています。
(むしろ私の自由時間が増えたことで、以前よりも一緒に旅行や食事に行く機会が多くなりました)
退職がバレたら最悪縁を切られるのではないかと思っていたので驚きです。
ただ「事前にこういう事をしておいたから」とか「バレた時こういった対応ができたから」という、思い当たる節はあります。
そこで、「退職が周知されても家族と円満でいられるためにやっておいた方がいいこと」として以下にまとめました。
退職しても家族と穏やかにいられるためにやっておいた方がいいこと
事前準備
退職後の計画について大まかに考える
退職に向けて行動する前に、準備として、
- なぜ退職したいのか
- 自分の次のステップは何か
を明確にしておくことが大切です。
「今の仕事が嫌だからとにかく辞めたいけど、退職後のことは具体的に考えていない」という方もいるかもしれませんね(私がそうでした)
その場合は、まずは仮でざっくりしたもので良いので次のステップを考えてみましょう。
例外:仕事を続けることによって健康上の問題が生じているのであれば、理由を考えるよりとにかく早く辞めて休養を優先するべきです。
ある程度考えがまとまっていれば、家族に説明することになった際にも落ち着いて話すことができます。
もし曖昧なままだと、先のことを何も考えていないと思われ、余計な心配をかけてしまいかねません。
具体的には、以下のことをメモしてまとめておきます。
- 退職したい理由(やってみたいことや目標があり、それを達成したいなどポジティブなものにする)
例 個人事業として〇〇をやりたいが公務員は兼業できないから - (上記の理由が目標の場合)達成するための期間、難易度、成就したらどうなれるか
例 安定した収入が得られるまで1〜2年かかる。必要な資格はないので、ビジネスノウハウを身につければ稼いでいくことができる。収入はだいたい月〇〇円見込まれる。 - 目標を達成できなかった場合の代替案
例 学習時や実際に営業に使った制作物を実績として就活時に活かし、関係業種の会社に就職する。求人数は多く、月収〇〇円くらいなので生活していける水準。
↑ここにあげた例は、これでも細かくまとめています。
筋が通っている内容であれば、もっと簡潔でもOKでしょう。
時々見直して、詳細を追加したり変更を加えておくといいと思います。
退職するべきかどうかを事前に相談することは不要
退職するかどうか迷っている場合、身近な存在である家族や親戚は、良き相談相手になってくれそうな気がしますよね。
しかし家族に事前相談は不要です。
特に両親など、上の世代の人は退職するかどうかを相談するべき相手ではないと考えます。
想像に難く無いかもしれませんが、頭ごなしに反対されやすいからです。
実際、私が最初に親に「そのうち退職したいんだよね」と話してみた時の返答は「安定した職なんだからそんなこと言うな!やめておけ」といった感じでした。
私の親は団塊より少し後の世代で、1つの会社で定年まで勤めるのが当然だった時代を現役で過ごしたのです。
公務員を自己都合で退職するなんてもっての外だと突っぱねてくるのは…そりゃ当然なんですよね。
家族に言うのは、事後報告のみにとどめるべきだと思います。
(補足)普段から信頼される行動などを積み重ねておくと尚良い
退職予定の時期までまだ時間があるのであれば、退職理由を準備しておくのとは別に、普段から家族から信頼される行動とフラグ立てを少しづつ積み重ねておくと良いかもしれません。
この2つを実施しておくことによって、家族へ退職が周知されてしまった時の反応が過大になるのを防ぐことができると思います。
例として、実際に私が行ったそれぞれの行動は以下のとおりです。
家族との信頼につながる行動の例
- 定期的に帰省する
- イベント(墓参り、親戚の集まりなど)に積極的に参加して手伝う
フラグ立ての例
転職してみたい(興味のある)職種や、取りたい資格・スキルの取得に向けた行動(就活・勉強・受験など)についての話をそれとなくする
※わざわざ話す機会を設けるのではなく、何かのついでに呟いてみるのが良いです。
真剣に話をする必要はなく(むしろしない方がいい)、それで反対するようなことを言われたとしても気にせず受け流しましょう。匂わすことが目的なので。
退職を家族に伝えるタイミングを考える
家族に伝えるタイミングは、退職が確定した後がベストと言えます。
先にも少し触れましたが確定前は避けた方が良いです。
「考え直して欲しい」とか「まだキャンセルできる」などと言われて、互いに消耗するのを防ぐためです。
別居で家計が別ならすぐに伝えなくてもOK
別居かつ家計が独立していれば、退職が決まってもすぐにカミングアウトする必要ありません。
家族といえど、経済面で影響を与えることがなければ、退職が決まった後に会う機会があった時に話す程度で良いでしょう。
バレたくない時は?
退職の事実は「会ったついでに事後報告で伝える」のがベストと考えますが、諸々の事情でできる限りバレないようにしたい場合もあるでしょう。
しかし、これは正直難しいです。
家族と同居しているのであれば、退職後に休職期間を挟まずすぐ転職するケースを除けば、出勤しなくなるため当然バレやすくなります。
別居の場合でも、生活実態が家族に把握されにくいため同居よりは気づかれないですが、新聞や口コミなど、どこからか情報が漏れる可能性があります。
特に、親戚に同業者がいると内示直後にバレるのは覚悟しなければならないかも…
また勤務先とのつながりで開設した金融機関などの口座や保険などがある場合、連絡先が実家になっていると退職間際に手続関係の連絡が実家に行くと思われますので、察知されないか注意が必要です(経験者は語る…)
以上のように、100%バレないようにする方法は残念ながらありません。
仮にバレずになんとかなったとしても、この先ずっと隠したままでいるのは精神的な負担が大きいです。
そのため、「気持ちの整理がついてから退職をカミングアウトする」か、「黙秘し続けるけどもバレた時の対処を考えて備えておく」方が現実的と考えます。
退職を伝える時(バレた時)の対処法
退職理由は率直に
退職の理由は、上記の「事前準備」で考えたポジティブなものを率直に説明しましょう。
逆に言えば、できるだけ消極的な理由は言わない方が良いです。
余計な心配をかけたり、「どうせ何をしてもうまくいかないから今の仕事を続けるべきだ」などと口出しをされる可能性大です。
退職後の計画を、自信を持って(いるように)説明する
退職後の計画を具体的に説明しましょう。
新しい仕事に挑戦するための資格取得や、起業の準備を進めていることなど、具体的なプランがあると家族も安心しやすくなります。
また、前向きな姿勢で話せれば、ポジティブな態度が伝わり理解を得る助けとなります。
「この経験はきっと自分を成長させ新しい可能性を広げてくれる」というような思いを示しましょう。
心配されたら理解し受け入れる
心配や不安があるような反応をされたときは、思わず反発してしまいそうですが…そこは抑えて、理解と感謝の意を示しましょう。
「心配してくれてありがとう」「慎重に考えた結果決断した」といった内容の返事をして、家族の気持ちも受け入れている姿勢を示すことが大切です。
サポートをお願いする
サポートをお願いすることも重要です。
「これからの道のりでサポートがとても大切なので、どうか応援してくれると嬉しいです」といった感じのことを言い、協力を求めることができます。
実際に協力してもらうことは無くとも、私生活の面で支えてもらい暖かく見守ってもらえると嬉しいですし励みになりますよね!
それを伝えられればベストと思います。
まとめ
長くなりましたが、特に心がけたいことを以下にまとめました。
- 退職後の計画(すぐ転職しない場合は理由と根拠、うまくいかなかった時の対処法)を大まかに立てて、話せるようにしておく
- カミングアウトする時が来て(バレて)反対されたとしても、退職する意思を貫き通す
- 退職後の計画は、必ず行動に移す
公務員を退職することは大きな決断であり、家族はショックを受けてしまうかもしれません。
自分の人生をより豊かにするための選択を理解してもらうためには、率直なコミュニケーションと計画の説明が鍵となります。
家族は大切な存在ですが、ここは自分自身に一番のスポットを当てて、退職に向けての行動に集中しましょう。
公務員の退職について他にも記事があります。
よろしければ一読ください。